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这条路(32)



「そうです……けど、结局、お兄ちゃんはわたしを憎んではくれなかったみたいです」
「あなたが何をしても、総太郎があなたを憎むことなんて絶対にないでしょう」

 凉子が笑ってそう言うと、かえでは少し寂しげな笑みを见せた。

「正直、これでよかったのかなって思うことは今でもあります。けど、やってしまったものはもう取り返しはつきませんから、わたしはわたしのやり方でお兄ちゃんを手に入れたい」
「二人とも不器用だから、ずいぶんこじれたわね……」

 よく似ている、と凉子は言いたいのかもしれない。しかし、総太郎がかえでの立场なら、もっとストレートな方法を选んだ可能性は高く、すべてが似ているわけではないのだろう。凉子もかえでも、そのあたりは感じていた。
 凉子は少し迷った様子を见せてから、かえでに真剣な言叶をかけた。

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「私はあなたたちが幸せになれるならそれでいいと思ってる。けど、あなたが総太郎を幸せにしてあげられないのなら、私はいつでも横から夺ってしまうわよ」
「はい、そのときは好きにしちゃってください。凉子さんはわたしがお兄ちゃんにひどいことをした后に支えてくれていたんですから、本来わたしなんかよりずっとその资格があると思います」

 むしろ、そうなってもいいとでも言いたげに、かえでは今日一番すっきりした笑顔を凉子に向けた。
 そして、それに対して凉子が何か言いかけたとき。
 再び、道场の扉が开いた。

「あ……」

 舞はもう更衣室に来ている。では、谁が来たのか。神仓流の谁かがやってきたのか?
 いや、冴华は総太郎を破ったその日から、一度もここには来ていないのだ。彼女たちは道场経営を轨道に乗せかけており、もう斤木流に构う理由は特にないのである。 nwxs5.cc
 となれば、来访者は――

「久しぶりだな、かえで。それに凉子も」
「お兄ちゃん、帰ってきたんだ……」

 うっすらと髭を生やし、体つきが一回り大きくなった総太郎の姿。心なしか目つきも厳しくなったようである。
 道着姿の総太郎は、三年ぶりに道场に足を踏み入れた。

「俺が何をしに来たのかは分かっているだろうな、かえで」
「うん。こっちだってそのつもりで毎日锻えてたからね」

 かえでにしても、体はあの顷よりずっと锻えられている。互いに、过ぎた年月での変化を见た目からだけでも感じ取っているであろう。

「よく帰ってきてくれたね、お兄ちゃん」
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