しかし今回はそれがない。
とりあえず、怪人は居ると考えた方がいい。居ないと油断するなんて马鹿な真似は犯さない。もし仮に居なかったとしたも既に立ち去っているというのも大事な情报になる。
视界には映っていない。だが、确実にどこかに身を潜めている。そう考えて周囲に意识を飞ばす。
俺が背后を见せた瞬间袭撃するつもりだろうか。それとも、长时间探索させて集中力が落ちたときに不意を讨つつもりなのだろうか。
正直、それをやられると普通のヒーローでは厳しい。一日に変身できる时间は三时间。それ以上の长期戦となると、必ずどこかで変身を解き时间を节约する必要が出る。人の身で人を越えた惊异である怪人に胜つために科学の力を结集した力。三时间を越えてしまうと、中の人间の身体への负担が高まりすぎると强制的に変身が解除されてしまう。そして十二时间のクールタイムに入ってしまうのだ。
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最も、三时间かけても倒せないような怪人が出たときは応援要请をすればいいだけなのだが。
その特性を考えると相手が隠れてしまうのは不味い。かなり効果的だ。俺以外のヒーローならば上手くいっただろう。
だが怪人よ。相手が悪かったな。
ニヤリと笑い、右腕を掲げ変身する。粒子化していたパワードスーツが全身を包み、机械然とした姿に変身する。
头に装着されたヘルメットとも言うべき装置の目の部分に指を当て、周囲を见回す。
建物の全てが线へと変わり、まっすぐと远くまで见通せる。
「……见つけた……!」
线と线で彩られた视界の中、黒い人影が映る。间违いない、怪人だ。
怪人が放つ特殊な物质を解析し、怪人を见つけることに特化した俺の能力。
パワードスーツに备えられた、ヒーロー一人一人の才能を强化するためにつけられた特殊能力。俺の特殊能力は相手を见极める目。敌を见つけるだけでなく、视界を切り替えれば敌の弱点すら探れる。今まで数々の怪人を葬った自慢の能力。
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怪人の姿が见えたのは三つ先のビルの裏路地。膝を曲げ、大きく飞び上がる。常人ならまず间违いなく届かない距离でも、スーツで强化された脚力なら余裕だ。风を切る感覚と共に大きな浮游感、そして重力に従い、身体は地面に吸い寄せられる。
内蔵を持ち上げられるような感覚には未だ惯れないが、それを嫌って逃がす訳にもいかない。
これが一番早いのだ。
内蔵の不快感を我慢した甲斐もあり、怪人が居る路地にはすぐにたどりつく。
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